問題
図のような交流回路において,電源が電圧100V, 周波数が50Hzのとき,誘導性リアクタンスXL=0.6Ω, 容量性リアクタンスXC=12Ωである。この回路の電源を電圧100V,周波数60Hzに変更した場合,回路のインピーダンス[Ω] の値は。
答え
イ.9.28
ロ.11.7
ハ.16.9
ニ.19.9
『出典:2019年度第一種電気工事士筆記試験(問3)』
解説
正解は「イ.9.28」です。
この問題のポイントは、それぞれのリアクタンスに周波数がどのように関係するかです。
ボルベア
リアクタンスと周波数の関係に注目!
解き方
リアクタンスと周波数の関係
誘導性リアクタンスXL及び容量性リアクタンスXCはそれぞれ次の式が成り立ちます。
\(X_L=ωL=2πfL\) \(X_C=\Large{{\frac{1}{ωC}}\normalsize{=}\Large{\frac{1}{2πfC}}}\)これらより誘導性リアクタンスXLは周波数に比例し、容量性リアクタンスXCは周波数に反比例することが分かります。
周波数が変化した後のインピーダンス
先ほどのそれぞれのリアクタンスと周波数の関係を使い、周波数が変化した後のリアクタンスを求めます。変化後のリアクタンス及び周波数をそれぞれXL´、XC´、f´とします。
誘導性リアクタンスは周波数に比例するので、次の通りになります。
\(X_L´=X_L\Large{\frac{f´}{f}}\\~~~~~~~~=0.6\times\Large{\frac{60}{50}}\\~~~~~~~~=0.72[Ω]\)容量性リアクタンスは周波数に反比例するので、次の通りになります。
\(X_C´=X_C\Large{\frac{f}{f´}}\\~~~~~~~~=12\times\Large{\frac{50}{60}}\\~~~~~~~~=10[Ω]\)インピーダンスを求める
周波数が変化した後のリアクタンスが先ほどの式で求まりました。これを使ってインピーダンスを導きます。
この問題では抵抗が含まれていないので、インピーダンスZ[Ω]はリアクタンスの差し引きで求まります。
\(Z=X_C-X_L\\~~~=10-0.72\\~~~=9.28[Ω]\)
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