問題
図のように,巻数\(n\)のコイルに周波数\(f\)の交流電圧\(V\)を加え,電流\(I\)を流す場合に,電流\(I\)に関する説明として,誤っているものは。
答え
イ.巻数\(n\)を増加すると,電流\(I\)は減少する。
ロ.コイルに鉄心を入れると,電流\(I\)は減少する。
ハ.周波数\(f\)を高くすると,電流\(I\)は増加する。
ニ.電圧\(V\)を上げると,電流\(I\)は増加する。
『出典:平成29年度第一種電気工事士筆記試験(問1)』
解説
正解は「ハ.周波数\(f\)を高くすると,電流\(I\)は増加する。」です。
この問題のポイントは、コイルに関する式についてです。
ボルベア
図を簡単にしてコイルの式に当てはめよう!
解き方
図を書き変える
まず問題の図を書き変えましょう。問題の図は、交流電源にコイルLが1つ繋がっている回路です。
こうしてみると簡単に思えますね。
コイルLに関する式
交流回路のおけるコイルLに関する式は次のものがあります。
\(L=\Large{\frac{μAn^2}{l}}\) \(X_L=2πfL\) \(I=\Large{\frac{V}{X_L}}\)各記述について考える
各記述を先ほどの式に当てはめて考えましょう。
イ.巻数\(n\)を増加すると,電流\(I\)は減少する。
巻線nが増加すると、コイルLは増加します。
またコイルLが増加するとリアクタンスXLが増加し、電流Iは減少します。
よってこの記述は正しいです。
ロ.コイルに鉄心を入れると,電流\(I\)は減少する。
コイルに鉄心を入れるとコイルLは増加します。
コイルLが増加すると、先ほどと同じで電流Iは減少します。
よってこの記述は正しいです。
ハ.周波数\(f\)を高くすると,電流\(I\)は増加する。
周波数fを高くすると、リアクタンスXLが増加します。
リアクタンスXLが増加すると、電流Iは減少します。
よってこの記述は誤りです。
ニ.電圧\(V\)を上げると,電流\(I\)は増加する。
電流Iの式より、電圧Vを増加すると電流Iは増加します。
よってこの記述は正しいです。
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