V結線における単相変圧器の利用率

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このページは、V結線における単相変圧器の利用率についての解説です。

V結線時の単相変圧器の利用率は\(\Large{\frac{\sqrt{3}}{2}}\)となっています。これをそのまま形で覚えている人も多いと思います。なぜ\(\Large{\frac{\sqrt{3}}{2}}\)となるかを解説します。

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単相変圧器を用いての三相負荷への供給

三相負荷への供給は通常、三相変圧器を使います。しかし単相変圧器を複数台使う事でも可能です。

結線方法として次の方法があります。

  • Y結線(単相変圧器を3台使用)
  • Δ結線(単相変圧器を3台使用)
  • V結線(単相変圧器を2台使用)

Y結線及びΔ結線では、単相変圧器を3台使います。この場合は単相変圧器1台の容量×3の容量が使用可能です。50kVAの単相変圧器であれば、150kVAまでの三相負荷が使用可能です。

V結線では、単相変圧器を2台使います。しかしV結線は特殊で、単相変圧器1台の容量×2台とはなりません。

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Y結線及びΔ結線での利用率

まずV結線の前に、Y結線及びΔ結線の利用率について考えましょう。

Y結線の場合

Y結線では下記の図のようになります。

供給可能な三相負荷は次の式で求められます。

\(P=\sqrt{3}VI[kVA]\)

Y結線では、電圧Vは\(\sqrt{3}\)倍になるので次のようになります。

\(P=\sqrt{3}(\sqrt{3}V)I\\~~~=3VI[kVA]\)

単相変圧器1台の容量は次のようになります。

\(P=VI[kVA]\)

これが3台あるので3倍になり、次のようになります。

\(P_Y=3P\\~~~~~=3VI\)

これらより変圧器の容量と負荷の容量が一致しているので、利用率は100%と言えます。

Δ結線の場合

Δ結線では下記の図のようになります。

供給可能な三相負荷は次の式で求められます。

\(P=\sqrt{3}VI[kVA]\)

Δ結線では、電流Iは\(\sqrt{3}\)倍になるので次のようになります。

\(P=\sqrt{3}V(\sqrt{3}I)\\~~~=3VI[kVA]\)

単相変圧器1台の容量は次のようになります。

\(P=VI[kVA]\)

これが3台あるので3倍になり、次のようになります。

\(P_Δ=3P\\~~~~~=3VI\)

これらより変圧器の容量と負荷の容量が一致しているので、利用率は100%と言えます。

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V結線の利用率

V結線の利用率について考えましょう

V結線では下記の図のようになります。

供給可能な三相負荷は次の式で求められます。

\(P=\sqrt{3}VI[kVA]\)

V結線では、相電圧及び相電流と線間電圧及び線間電流は同じです。

単相変圧器1台の容量は次のようになります。

\(P=VI[kVA]\)

これが2台あるので2倍になり、次のようになります。

\(P_V=2P\\~~~~~=2VI\)

これらより利用率を求めると次のようになります。三相負荷を変圧器の容量の合計で割ると、1台当たりの利用率になります。

\(利用率=\Large{\frac{\sqrt{3}VI}{2VI}}\\~~~~~~~~~=\Large{\frac{\sqrt{3}}{2}}\\~~~~~~~~~=86.5[%]\)

この結果からV結線における単相変圧器1台当たりの利用率は\(\Large{\frac{\sqrt{3}}{2}}\)及び86.5%になる事が分かります。

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