問題
図のように,静電容量6μFのコンデンサ3個を接続して,直流電圧120Vを加えたとき,
図中の電圧V1の値[V]は。
答え
イ.10
ロ.30
ハ.50
ニ.80
『出典:令和2年度第一種電気工事士筆記試験(問1)』
解説
正解は「ニ.80」です。
解き方を2通り紹介します。
解き方①
直列に接続された各コンデンサに蓄えられる電荷Q[C]は全て同じになります。また電荷Qは次の式で求められます。
\(Q=CV\)これを使って答えを求めます。
コンデンサを合成する
まず3個のコンデンサをそれぞれをCとし、合成します。コンデンサは抵抗と違い、並列なら足し算、直列なら和分の積で求められます。
並列で接続される2個のコンデンサを合成したものをC2とすると、次の式になります。
\(C_2=C+C\\~~~~=6+6\\~~~~=12[μF]\)次に直列で接続されるコンデンサCとC2を合成したものをC0とすると、次の式になります。
\(C_0=\Large{\frac{CC_2}{C+C_2}}\\~~~~=\Large{\frac{6×12}{6+12}}\\~~~~=\Large{\frac{72}{18}}\\~~~~=4[μF]\)電荷Q[C]を求める
この全体の合成したコンデンサC0と電圧から電荷Q[C]を求めます。
\(Q=C_0V\\~~~~=4\times120\\~~~~=480[C]\)電荷Q[C]からV1を求める
各コンデンサに蓄えられる電荷Q[C]は等しいので、このQ[C]からV1を求めます。
Q=CVを変形してV=Q/Cにします。これから求めると次の式になります。
\(V_1=\Large{\frac{Q}{C}}\\~~~~=\Large{\frac{480}{60}}\\~~~~=80[V]\)ボルベア
「各コンデンサに蓄えられる電荷Q[C]は等しい」がポイント!
解き方②
直列に接続されるコンデンサの分圧の公式があります。
これを覚えておくと簡単に解くことができます。
上記の図の場合に次の式が成り立ちます。
\(V_1=\Large{\frac{ C_2 }{ C_1+C_2 }}\normalsize{E}\)問題の図をこれに当てはめて求めると次のようになります。
コンデンサの並列部を合成する
まず並列で接続される2個のコンデンサを合成したものをC2とすると、次の式になります。
\(C_2=C+C\\~~~~=6+6\\~~~~=12[μF]\)コンデンサの分圧の式から求める
コンデンサの分圧の式に当てはめて計算します。
\(V_1=\Large{\frac{ C_2 }{ C_1+C_2 }}\normalsize{E}\\~~~~=\Large{\frac{ 12 }{ 6+12 }}\normalsize{\times120}\\~~~~=80[V]\)ボルベア
コンデンサの分圧の公式を覚えておくと簡単に計算できる!
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