【2016年度】第一種電気工事士《筆記試験》問19

2016年度
当サイトはアフェリエイト広告を利用しています。
スポンサーリンク

問題

送電線に関する記述として,誤っているものは。

答え

イ.交流電流を流したとき,電線の中心部より外側の方が単位断面積当たりの電流は大きい。

ロ.同じ容量の電力を送電する場合,送電電圧が低いほど送電損失が小さくなる。

ハ.架空送電線路のねん架は,全区間の各相の作用インダクタンスと作用静電容量を平衡させるために行う。

ニ.直流送電は,長距離・大電力送電に適しているが,送電端,受電端にそれぞれ交直変換装置が必要となる。

『出典:平成28年度第一種電気工事士筆記試験(問1)』

スポンサーリンク

解説

正解は「ロ.同じ容量の電力を送電する場合,送電電圧が低いほど送電損失が小さくなる。」です。

この問題は、送電線についてです。

送電線において、電圧が高いほど送電損失が小さくなります。これは同じ容量であれば、電圧を大きくすると電流が小さくなるからです。電流が小さいほど損失が少なくなります。

これらの理由から、発電所から変電所などは特別高圧の高い電圧で送電されます。

よって「ロ.同じ容量の電力を送電する場合,送電電圧が低いほど送電損失が小さくなる。」は誤りです。

ボルベア
ボルベア

送電損失を低くするために高い電圧で送電する!

他の記述について

その他の記述について解説します。

イ.交流電流を流したとき,電線の中心部より外側の方が単位断面積当たりの電流は大きい。

これは正しい記述です。

交流電流を電線に流した時に、中心部より外側の方が単位断面積当たりの電流が大きくなります。これを表皮効果と言います。

これにより導体の抵抗が高くなり損失となります。

ハ.架空送電線路のねん架は,全区間の各相の作用インダクタンスと作用静電容量を平衡させるために行う。

これは正しい記述です。

各相の作用インダクタンスと作用静電容量は、相間や大地間などの場所の違いによって異なってしまいます。これにより通信線に対する誘導障害や中性点の残留電圧の発生がおきます。

これらを防ぐためにねん架をします。ねん架は特定の距離ごとに各相の位置を入れ替える事です。これをすることで、全体でみれば各相の作用インダクタンスと作用静電容量を平衡させます。

ニ.直流送電は,長距離・大電力送電に適しているが,送電端,受電端にそれぞれ交直変換装置が必要となる。

これは正しい記述です。

直流送電は、交流送電と比べて長距離、大電力送電に適しています。これは無効電流(LC分)が発生しない等があげられます。

しかし一般家庭など、電気の使用場所においては交流電圧が標準なので、交直変換装置で交流電圧に変換する必要があります。

日本では、本州と北海道の間を直流送電している区間があります。このほかにも数か所で運用されています。

コメント