【2019年度】第一種電気工事士《筆記試験》問6

2019年度
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問題

図のように,単相2線式配電線路で,抵抗負荷A(負荷電流20A)と抵抗負荷B(負荷電流10A)に電気を供給している。電源電圧が210Vであるとき,負荷Bの両端の電圧VBとこの配電線路の全電力損失PLの組合せとして,正しいものは。
ただし, 1線当たりの電線の抵抗値は,図に示すようにそれぞれ0.1Ωとし,線路リアクタンスは無視する。

答え

イ.VB=202V PL=100W

ロ.VB=202V PL=200W

ハ.VB=206V PL=100W

ニ.VB=206V PL=200W

『出典:2019年度第一種電気工事士筆記試験(問6)』

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解説

正解は「ロ.VB=202V PL=200W」です。

この問題のポイントは、電流を合成する事です。電源から流れる電流は、負荷Aと負荷Bに流れる電流の合計になります。これに気付けるかがポイントです。

ボルベア
ボルベア

各ポイントに流れる電流の値に注意しよう!

解き方

各部の電流値を考える

まず問題を解くにあたり、線路の各抵抗に流れる電流を考えます。

線路の左側に流れる電流を電流I0とすると、負荷Aに流れる電流IAと負荷Bに流れる電流IBの合計になります。よって次の式で求められます。

\(I_0=I_A+I_B\\~~~~=20+10\\~~~~=30[A]\)

また線路の右側に流れる電流は、負荷Bに流れる電流IBと同じになります。

この電流を使って問題を解きます。

電圧降下を考える

この問題では、電圧降下を2つに分けて計算します。それは各線路に流れる電流値が違う為です。単相2線式における電圧降下の式は次の通りです。

\(電圧降下=2IR[V]\)

まず左側の電圧降下を電圧降下1とすると次のようになります。

\(電圧降下1=2I_0R\\~~~~~~~~~~~~~~~=2\times30\times0.1\\~~~~~~~~~~~~~~~=6[V]\)

次に右側の電圧降下を電圧降下2とすると次のようになります。

\(電圧降下1=2I_BR\\~~~~~~~~~~~~~~~=2\times10\times0.1\\~~~~~~~~~~~~~~~=2[V]\)

これらよりVBは、電源電圧から電圧降下1及び電圧降下2を引いた値になります。

\(V_B=電源電圧-電圧降下1-電圧降下2\\~~~~=210-6-2\\~~~~=202[V]\)

よってVBは202[V]となります。

電力損失を考える

電力損失も電圧降下と同じく2つに分けて計算します。

単相2線式における電力損失PLは、次の式で求められます。

\(P_L=2I^2R[W]\)

まず左側の電力損失をPL1とすると次のようになります。

\(P_{L1}=2{I_0}^2R\\~~~~~~=2\times30^2\times0.1\\~~~~~~=180[W]\)

次に右側の電力損失をPL2とすると次のようになります。

\(P_{L2}=2{I_B}^2R\\~~~~~~=2\times10^2\times0.1\\~~~~~~=20[W]\)

これらから全電力損失は2つの合計になるので、次の式で求められます。

\(P_L=P_{L1}+P_{L2}\\~~~~~=180+20\\~~~~~=200[W]\)

よって全電力損失PLは200[W]となります。

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