図のような単相2線式配電線路において,配電線路の長さは100m,負荷は電流50A,力率0.8(遅れ)である。線路の電圧降下(Vs-Vr)[V]を4V以内にするための電線の最小太さ(断面積)[㎟]は。
ただし,電線の抵抗は表のとおりとし,線路のリアクタンスは無視するものとする。
答え
イ.14
ロ.22
ハ.38
ニ.60
『出典:令和4年度第一種電気工事士筆記試験【午後】(問6)』
解説
正解は「ハ.38」です。
この問題のポイントは、電圧降下についてです。
この問題ではただ単に電圧降下を求めるだけではなく、そこから電線の太さを求めなければいけません。
各単位に注意しましょう。
ボルベア
電線の太さを求めよう!
解き方
抵抗Rを求める
電圧降下は4V以内とされているので、電圧降下の式から抵抗Rを求めます。
本来の単相2線式の電圧降下の式は次の通りです。
\(V_s-V_r=2I(R\cos\theta+x\sin\theta)\)
しかし今回がリアクタンスXは無視するとあるので、次の式となります。
\(V_s-V_r=2IR\cos\theta\)
\(V_s-V_r=2IR\cos\theta\\~~~~~~~~~~R=\Large{\frac{V_s-V_r}{2I\cos\theta}}\\~~~~~~~~~~~~~=\Large{\frac{4}{2\times50\times0.8}}\\~~~~~~~~~~~~~=0.05[Ω]\)
抵抗Rが求められたので電圧降下を4V以内にするには、抵抗Rが0.05Ω以内でなければいけません。
電線の太さを求める
先ほどの計算から、抵抗Rは0.05Ω以下でなければいけないことが分かりました。
表の各電線太さは1㎞当たりなので、問題の回路の100mに換算します。
- 14㎟=1.30×0.1=0.130[Ω]
- 22㎟=0.82×0.1=0.082[Ω]
- 38㎟=0.49×0.1=0.049[Ω]
- 60㎟=0.30×0.1=0.030[Ω]
0.05Ω以下となるのは38㎟と60㎟になりますが、問題では最小の太さを問われているので、38㎟が答えとなります。
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