【令和4年度（午後）】第一種電気工事士《筆記試験》問31

問題

②に示す高圧引込の地中電線路の施工として，不適切なものは。

答え

イ．地中埋設管路長が20mであるため，物件の名称，管理者名及び電圧を表示した埋設表示シートの施設を省略した。

ロ．高圧地中引込線を収める防護装置に鋼管を使用した管路式とし，地中埋設管路長が20mであるため，管路の接地を省略した。

ハ．高圧地中引込線と地中弱電流電線との離隔が20cmのため，高圧地中引込線を堅ろうな不燃性の管に収め，その管が地中弱電流電線と直接接触しないように施設した。

ニ．高圧地中引込線と低圧地中電線との離隔を20cmで施設した。

『出典：令和4年度第一種電気工事士筆記試験【午後】（問31）』

解説

正解は「イ．地中埋設管路長が20mであるため，物件の名称，管理者名及び電圧を表示した埋設表示シートの施設を省略した。」です。

この問題のポイントは、地中電線路についてです。

高圧の地中電線路には埋設表示シートの施設が定められています。しかし長さが15ｍ以下であれば省略ができます。

よって「イ．」は20ｍで省略しているので不適切です。

その他の記述について

ロ．高圧地中引込線を収める防護装置に鋼管を使用した管路式とし，地中埋設管路長が20mであるため，管路の接地を省略した。

これは正しい記述です。

管路式により施設した部分の金属製の管路については、長さに関わらず接地の省略ができます。

ハ．高圧地中引込線と地中弱電流電線との離隔が20cmのため，高圧地中引込線を堅ろうな不燃性の管に収め，その管が地中弱電流電線と直接接触しないように施設した。

これは正しい記述です。

高圧地中電線と地中弱電流電線の離隔は、基本的には0.3ⅿ（30cm）必要です。

しかし高圧地中電線を堅ろうな不燃性の管に収め，その管が地中弱電流電線と直接接触しないようにすれば施設可能です。

ニ．高圧地中引込線と低圧地中電線との離隔を20cmで施設した。

これは正しい記述です。

高圧地中電線と低圧地中電線の離隔距離は0.15ⅿ（15cm）以上と定められているので、正しい施工です。