問題
かご形誘導電動機のY-Δ始動法に関する記述として,誤っているものは。
答え
イ.固定子巻線をY結線にして始動したのち, Δ結線に切り換える方法である。
ロ.始動トルクはΔ結線で全電圧始動した場合と同じである。
ハ.Δ結線で全電圧始動した場合に比べ,始動時の線電流は\(\Large{\frac{1}{3}}\)に低下する。
ニ.始動時には固定子巻線の各相に定格電圧の\(\Large{\frac{1}{\sqrt{3}}}\)倍の電圧が加わる。
『出典:2019年度第一種電気工事士筆記試験(問10)』
解説
正解は「ロ.始動トルクはΔ結線で全電圧始動した場合と同じである。」です。
この問題は、誘導電動機のY-Δ始動法の特徴に関するものです。ポイントを押さえて覚えておきましょう。
Y-Δ始動法のデメリットとして、始動トルクの低下が挙げられます。具体的には、全電圧始動法に比べて\(\Large{\frac{1}{3}}\)になります。これからY-Δ始動法は、小型の誘導電動機に採用されます。
よって「ロ.始動トルクはΔ結線で全電圧始動した場合と同じである。」は誤りです。
ボルベア
Y-Δ始動法の特徴を覚えておこう!
他の記述について
その他の記述について解説します。
固定子巻線をY結線にして始動したのち, Δ結線に切り換える方法である。
これは正しい記述です。
Y-Δ始動法の言葉通りの順番で始動すると覚えておきましょう。
Δ結線で全電圧始動した場合に比べ,始動時の線電流は\(\Large{\frac{1}{3}}\)に低下する。
これは正しい記述です。
Y-Δ始動法の始動電流は、全電圧始動法に比べて\(\Large{\frac{1}{3}}\)になります。詳しい計算式は割愛しますが、よく出る項目なので覚えておきましょう。
始動時には固定子巻線の各相に定格電圧の\(\Large{\frac{1}{\sqrt{3}}}\)倍の電圧が加わる。
これは正しい記述です。
始動時はY結線になり、相電圧は線間電圧の\(\Large{\frac{1}{\sqrt{3}}}\)になります。定格時のΔ結線では、相電圧と線間電圧が同じになります。
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