問題
図のように,巻数nのコイルに周波数fの交流電圧Vを加え,電流Iを流す場合に,電流Iに関する説明として,誤っているものは。
答え
イ.巻数nを増加すると,電流Iは減少する。
ロ.コイルに鉄心を入れると,電流Iは減少する。
ハ.周波数fを高くすると,電流Iは増加する。
ニ.電圧Vを上げると,電流Iは増加する。
『出典:令和6年度第一種電気工事士筆記試験(問1)』
解説
正解は「ハ.周波数fを高くすると,電流Iは増加する。」です。
この問題のポイントは、コイルに関する公式についてです。
問題の図は一見、難しく感じるかもしれませんが、単純にコイルに交流電圧が印加されている回路です。
コイルに関する式は次のものがあります。
\(L=\Large{\frac{μAn^2}{l}}\)
\(X_L=2πfL\)
\(I=\Large{\frac{V}{X_L}}\)
これを元に各記述について考えましょう。
ボルベア
コイルに関する公式を覚えておこう!
各記述について
イ.巻数nを増加すると,電流Iは減少する。
巻線nが増加するとコイルLが増加することが分かります。
\(L=\Large{\frac{μAn^2}{l}}\)
またコイルLが増加するとリアクタンスXLが増加します。
\(X_L=2πfL\)
リアクタンスXLが増加すると電流Iは減少します。
\(I=\Large{\frac{V}{X_L}}\)
よってこの記述は正しいです。
ロ.コイルに鉄心を入れると,電流Iは減少する。
コイルに鉄心を入れると、透磁率μが増加するのでコイルLは増加します。
\(L=\Large{\frac{μAn^2}{l}}\)
コイルLが増加すると、先ほどと同じで電流Iは減少します。
よってこの記述は正しいです。
ハ.周波数fを高くすると,電流Iは増加する。
周波数fを高くすると、リアクタンスXLが増加します。
\(X_L=2πfL\)
リアクタンスXLが増加すると、電流Iは減少します。
\(I=\Large{\frac{V}{X_L}}\)
よってこの記述は誤りです。
ニ.電圧Vを上げると,電流Iは増加する。
電圧Vが増加すると電流Iは増加します。
\(I=\Large{\frac{V}{X_L}}\)
よってこの記述は正しいです。
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