【2016年度】第一種電気工事士《筆記試験》問30

2016年度
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問題

①に示す地中線用地絡継電装置付き高圧交流負荷開閉器(UGS)に関する記述として,不適切なものは。

〔注〕1.図において,問いに直接関係のない部分等は,省略又は簡略化してある。

   2.UGS:地中線用地絡継電装置付き高圧交流負荷開閉器

答え

イ.電路に地絡が生じた場合,自動的に電路を遮断する機能を内蔵している。

ロ.定格短時間耐電流が,系統(受電点)の短絡電流以上のものを選定する。

ハ.電路に短絡が生じた場合,瞬時に電路を遮断する機能を有している。

ニ.波及事故を防止するため,電気事業者の地絡保護継電装置と動作協調をとる必要がある。

『出典:平成28年度第一種電気工事士筆記試験(問30)』

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解説

正解は「ハ.電路に短絡が生じた場合,瞬時に電路を遮断する機能を有している。」です。

この問題は、地中線用地絡継電装置付き高圧交流負荷開閉器(UGS)についてです。

UGSはPASと同等の機能を有している機器です。違いは架空電線路から受電するものにはPASを、地中電線路から受電するものにはUGSを使用します。

問題については、PASと同じ考え方で解くことができます。

UGSは開閉器なので、短絡時の大電流を遮断する機能はありません。よって「ハ.電路に短絡が生じた場合,瞬時に電路を遮断する機能を有している。」は誤りです。

ボルベア
ボルベア

UGSは短絡電流を遮断する機能はない!

他の記述について

その他の記述について解説します。

電路に地絡が生じた場合,自動的に電路を遮断する機能を内蔵している。

地中線用地絡継電装置付き高圧交流負荷開閉器(UGS)の地中線用地絡継電装置は地絡を検知する保護装置です。

UGSの大きな役割の一つが、地絡を検知して遮断する事です。

定格短時間耐電流が,系統(受電点)の短絡電流以上のものを選定する。

需要家の構内で短絡が発生した時に、UGSのSO機能にて短絡の除去をします。

このSO機能の時に短時間ですが、短絡電流が通過します。これに耐えきらなければ、確実にSO機能を動作させることができません。

よって受電点の短絡電流以上のものを選定します。

波及事故を防止するため,電気事業者の地絡保護継電装置と動作協調をとる必要がある。

地絡保護継電装置は、電路の地絡を検知して動作します。需要家の構内で発生した地絡は、構内で除去する必要があります。これの為に地絡保護継電装置が設置されています。

しかし地絡保護継電装置の設定値が、電力会社の変電所に設置の地絡保護継電装置の設定値より緩く設定されていると、先に電力会社の変電所が動作してしまいます。これは波及事故となり周囲一帯の停電を招いてしまします。

これを防ぐために、地絡保護継電装置の設定値はよく検討する必要があります。このことを保護協調とも言います。

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