問題
写真に示すGR付PASを設置する場合の記述として,誤っているものは。
答え
イ.自家用側の引込みケーブルに短絡事故が発生したとき,自動遮断する。
ロ.電気事業用の配電線への波及事故の防止に効果がある。
ハ.自家用側の高圧電路に地絡事故が発生したとき, 自動遮断する。
ニ.電気事業者との保安上の責任分界点又はこれに近い箇所に設置する。
『出典:令和2年度第一種電気工事士筆記試験(問22)』
解説
正解は「イ.自家用側の引込みケーブルに短絡事故が発生したとき,自動遮断する。」です。
これはPASの特徴についての問題です。しかし少し意地悪な問題かと思います。
知っている人であれば、GR付PASはSOGによって引込みケーブルの短絡事故からも保護する目的があるので、選択肢「イ」も正しく思えます。
ではなぜ誤りかというと、あくまでもPASは開閉器の一種で短絡電流は遮断できません。SOGでは電力会社の変電所にて短絡電流を遮断して、無電圧の状態でPASが開放します。
なのであくまでもPASは、短絡電流を遮断できないという事になります。
SOGについて詳しく知りたい人は、下記の記事を参照下さい。
PASは短絡電流は遮断できない!
他の記述について
他の記述について、簡単に解説します。
電気事業用の配電線への波及事故の防止に効果がある。
波及事故とは、需要家の設備における事故が原因で、電力会社の配電線を停電させてしまう事です。
PASは電力会社との責任分界点に設置されるので、波及事故にならないように保護装置(SOG)が併せて設置されます。PAS自体が波及事故にならないようにする機器と言えます。
波及事故について詳しく知りたい人は、下記の記事を参照下さい。
自家用側の高圧電路に地絡事故が発生したとき, 自動遮断する。
GR付PASは地絡が発生すると、地絡継電器(GR)が検知して自動で遮断します。
これにより波及事故の防止をしています。
地絡継電器(GR)について詳しく知りたい人は、下記の記事を参照下さい。
電気事業者との保安上の責任分界点又はこれに近い箇所に設置する。
PASは電力会社との責任分界点としての役割もあります、責任分界点とは、その点から電力会社の物か、需要家の物かを分けるポイントの事です。
責任分界点について詳しく知りたい人は、下記の記事を参照下さい。
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