問題
タービン発電機の記述として,誤っているものは。
答え
イ.タービン発電機は,駆動力として蒸気圧などを利用している。
ロ.タービン発電機は,水車発電機に比べて回転速度が大きい。
ハ.回転子は,非突極回転界磁形(円筒回転界磁形)が用いられる。
ニ.回転子は, 一般に縦軸形が採用される。
『出典:令和2年度第一種電気工事士筆記試験(問17)』
解説
正解は「ニ.回転子は, 一般に縦軸形が採用される。」です。
この問題では、誤っているものを選びます。「ニ.」の記述について正しくは次の通りです。
「回転子は, 一般に横軸形が採用される。」
発電機の項目はイメージがしづらく、難しです。特徴を覚えておきましょう。
タービン発電機の特徴を覚えておこう!
特徴
それぞれの記述について解説します。
イ.タービン発電機は,駆動力として蒸気圧などを利用している。
タービン発電機とは、火力発電所や原子力発電所で利用される発電機の種類です。
火力でも原子力でも、熱エネルギーにより水を沸騰させ蒸気にし、その蒸気をタービン(羽)に当てて回転させ発電します。
よって、タービン発電機の駆動力は蒸気圧となります。
ちなみに水力発電では、水の流れを利用して水車を回して発電しています。
ロ.タービン発電機は,水車発電機に比べて回転速度が大きい。
タービン発電機の回転速度は、高速である特徴があります。
火力発電所のタービン発電機では50[㎐]で3000[min-1]、60[㎐]で3600[min-1]となっています。
ちなみに水力発電では数百程度で、1000[min-1]以下です。
ハ.回転子は,非突極回転界磁形(円筒回転界磁形)が用いられる。
回転子には、2つの種類があります。
- 円筒形
- 突極形
タービン発電機では、円筒形が採用されます。これはタービン発電機が高速で回転するという特徴から、機械的強度に耐えられないのが理由です。
円筒形と突極形を比べると、円筒型の方が回転子の直径を小さくなります。直径が小さければ、遠心力が小さくなり、回転数が高い発電機に向きます。
水力発電では、回転数が低いので突極形が採用されます。
ニ.回転子は, 一般に横軸形が採用される。
タービン発電機では、回転子に円筒形が採用されています。円筒形は直径が小さいが、軸方向に長いという特徴があります。
この特徴により、本体が回転軸に対して水平方向に長いので横軸形が採用されます。
水力発電では、どちらも採用されます。
コメント