図のような，三相3線式配電線路で，受電端電圧が6700V，負荷電流が20A，深夜で軽負荷のため力率が0.9（進み力率）のとき，配電線路の送電端の線間電圧［V］は。
ただし，配電線路の抵抗は1線当たり0.8Ω，リアクタンスは1.0Ωであるとする。
なお，cosθ=0.9のときsinθ=0.436であるとし，適切な近似式を用いるものとする。
答え
イ．6700
ロ．6710
ハ．6800
ニ．6900
『出典：令和5年度第一種電気工事士筆記試験【午前】（問6）』
解説
正解は「ロ．6710」です。
この問題のポイントは、電圧降下の近似式と進み力率です。
電圧降下の近似式は、通常は下記の式を使用します。
\(V_S=V_r+\sqrt{3}I(R\cos\theta+X_L\sin\theta)［V］\)
しかしこれは多くの場合の負荷が遅れ力率の場合です。
今回の問題では進み力率となっているので、下記の式を使用します。
\(V_S=V_r+\sqrt{3}I(R\cos\theta-X_L\sin\theta)［V］\)
ボルベア
進み力率の時の近似式は少し違う！
解き方
送電端電圧をVS、受電端電圧をVrとして次の式で求めます。
\(V_S=V_r+\sqrt{3}I(R\cos\theta-X_L\sin\theta)\\~~~~~~=6700+\sqrt{3}\times20(0.8\times0.9-1.0\times0.436)\\~~~~~~=6700+9.82\\~~~~~~=6709.82［V］\)
よって6710が正解となります。
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