問題
変電設備に関する記述として,誤っているものは。
答え
イ.開閉設備類をSF6ガスで充たした密閉容器に収めたGIS式変電所は,変電所用地を縮小できる。
ロ.空気遮断器は,発生したアークに圧縮空気を吹き付けて消弧するものである。
ハ.断路器は,送配電線や変電所の母線,機器などの故障時に電路を自動遮断するものである。
ニ.変圧器の負荷時タップ切換装置は電力系統の電圧調整などを行うことを目的に組み込まれたものである。
『出典:平成29年度第一種電気工事士筆記試験(問19)』
解説
正解は「ハ.断路器は,送配電線や変電所の母線,機器などの故障時に電路を自動遮断するものである。」です。
この問題は、変電設備についてです。
断路器は、設備の点検時などに設備を電路から切り離す目的で設置されます。よって故障時に電路を自動的に遮断する機能はありません。
また断路器は開閉器にも遮断器にも該当しません。よって電流が流れている状態での開閉は危険で、行ってはいけません。
断路器は自動で遮断する機能はない!
断路器について詳しくは、こちらの記事をご覧ください。
他の記述について
その他の記述について解説します。
開閉設備類をSF6ガスで充たした密閉容器に収めたGIS式変電所は,変電所用地を縮小できる。
これは正しい記述です。
GISとは、絶縁性が高いSF6ガスで密閉した金属箱内に各機器(遮断器など)を収めたものです。SF6の高い絶縁性から、各機器をコンパクトに収納できます。
よってGISは他に比べてコンパクトな特徴があります。
空気遮断器は,発生したアークに圧縮空気を吹き付けて消弧するものである。
これは正しい記述です。
遮断器は、大電流を開閉することが可能です。大電流を開閉するとアークが発生します。遮断器は様々な方法で、このアークを消弧します。この方法により遮断器の種類が変わります。
空気遮断器は、圧縮空気を接点に吹き付ける事で、アークの冷却とイオン化した空気を入れ替える事で、絶縁性能を回復させて消弧します。
変圧器の負荷時タップ切換装置は電力系統の電圧調整などを行うことを目的に組み込まれたものである。
これは正しい記述です。
変圧器のタップとは、変圧器の巻線比を変える装置です。変圧器の巻線比を変える事で、同じ入力電圧でも出力電圧を上げたり下げたりできます。
これを利用することで、電力系統の状態によって電圧を調整し、適切な電圧を維持しています。
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